PTSとは?時間外取引の仕組みと注意点【2026年版】

初心者〜中級者向け

PTSとは?時間外取引の仕組みと注意点【2026年版】

更新日:2026年4月 読了時間:約8分

「15:30以降の決算情報やマクロ変動後すぐに動きたい」――そんな悩みを解決するのがPTS(私設取引システム)です。夜間・早朝に株を売買できる仕組みと、証券会社ごとの取引時間の違い、注意点を解説します。

目次

  1. PTSとは何か?東証との違い
  2. PTSが使える時間帯(証券会社別比較)
  3. 日中PTSの活用例:東証より有利な価格で成約するケース
  4. PTSを使う4つのメリット
  5. PTSの注意点・デメリット
  6. 預り金不足・取引制限とPTSの関係
  7. 信用取引でのPTS利用
  8. まとめ:こんな人にPTSがおすすめ

1. PTSとは何か?東証との違い

PTSは「Proprietary Trading System(私設取引システム)」の略で、東京証券取引所などの公的な取引所を介さずに株式を売買できる仕組みです。証券取引所が閉まっている時間帯でも、リアルタイムで売買注文を成立させられます。

日本のPTSはジャパンネクスト証券(JNX)や大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)などの民間業者が運営しており、SBI証券・楽天証券・松井証券などの主要ネット証券がこれらに接続することで夜間取引を提供しています。

受渡日の例:1日(月)に取引した場合

日中(東証)    1日(月)〜15:30約定受渡日:3日(水) = 約定日から2営業日後
PTSデイタイム   1日(月)15:30〜16:30約定受渡日:3日(水) = 約定日から2営業日後
PTSナイトタイム  1日(月)17:00〜約定受渡日:4日(木) = 約定日から3営業日後
PTSでは成行注文が使えません。必ず指値で注文を入れる必要があります。価格が合致した相手が現れれば約定、合致しなければ注文はそのセッション終了とともに失効します。

2. PTSが使える時間帯(証券会社別比較)

現在、夜間のPTS取引(ナイトタイムセッション)に対応している主要ネット証券はSBI証券・楽天証券・松井証券の3社です。同じジャパンネクストPTSを利用していても、証券会社によって提供時間が異なります。

手数料ゼロ・取扱銘柄最多

SBI証券

デイタイム
8:20〜16:30
ナイトタイム
17:00〜23:59
信用取引
9:00〜11:30 / 12:30〜15:30

東証立会時間のみ

楽天ポイント対応・JAX PTS併用

楽天証券

デイタイム
8:20〜16:25
ナイトタイム
17:00〜23:59
信用取引
9:00〜11:30 / 12:30〜15:30

東証立会時間のみ

JNX(ジャパンネクストPTS)のナイトタイムセッション自体は翌6:00まで稼働していますが、SBI証券・楽天証券のサービスは23:59終了です。深夜0時以降も取引したい場合は松井証券(翌2:00まで)のみ対応しています。マネックス証券はPTSを利用していますが夜間取引には対応していません。

3. 日中PTSの活用例:東証より有利な価格で成約するケース

PTSは夜間専用というイメージを持たれがちですが、東証の立会時間中(デイタイムセッション)でも並行して稼働しています。この時間帯では東証とPTSの間でわずかな価格差が生まれることがあり、SOR(スマートオーダールーティング)注文を使うと自動で有利な市場を選んで執行してくれます。

シナリオ 東証の気配値 PTS約定価格
A株を売りたい。東証の売値は151円ちょうど(成売) 151.0円 151.1円+0.1円/株
B株を買いたい。東証の買値は500円ちょうど(成買) 500.0円 499.9円−0.1円/株
A株を100株取引した場合の差額 15,100円 15,110円+10円

1株あたり0.1〜0.2円の差でも、取引株数・回数が増えると積み重なります。SOR注文はSBI証券・楽天証券などで利用可能で、有効にしておくだけで自動的に最良価格の市場へ発注されます。東証で取引するつもりがPTSで約定していた、ということも珍しくありません。

PTSのデイタイムセッションはSBI証券が16:30まで。東証の大引けは15:30(後場終了)なので、15:30〜16:30は東証が閉まった直後でもPTSデイタイムで取引できる時間帯です。引け後の短い窓として活用できます。

4. PTSを使う4つのメリット

メリット1

決算発表後すぐに動ける。15:30以降の発表に対し、翌日の東証が開くまで待たずにリアクションできる。

メリット2

会社員でも仕事終わりに取引できる。夜間にじっくり情報を整理しながら注文を入れられる。

メリット3

SOR注文で東証より有利な価格で約定できることがある(上記の例を参照)。

メリット4

SBI・楽天はPTS手数料も無料(ゼロ革命・ゼロコース適用時)。追加コストなしで利用できる。

5. PTSの注意点・デメリット

流動性が低い

東証と比較すると取引参加者が少ないため、希望する価格で約定しにくい銘柄があります。特に小型株や時価総額の低い銘柄では、スプレッドが広がりやすく、思わぬ価格での約定リスクがあります。

決算発表直後の値動きに要注意

PTSで決算後に大きく動いた株価が、翌日の東証ではまったく逆の方向に動くケースがあります。薄い板での動きを「正しい評価」と捉えすぎないことが重要です。

権利確定日の落とし穴

権利付最終売買日の当日夜間(ナイトタイムセッション)に買い付けた株は、翌日が権利落ち日として扱われるため、配当や株主優待の権利を取得できません。

権利付最終売買日の夜間PTSでの買い付けは「権利落ち後」の扱いになります。配当・優待目的の購入は要注意。

6. 預り金不足・取引制限とPTSの関係

証券口座で預り金の不足が発生すると、翌営業日以降の現物取引が制限されることがあります。ここで意外と知られていないのが、制限が発生した当日の夜間PTSは影響を受けない、という点です。

後場終了後(15:30)に預り金不足の警告が出た場合同日夜間PTSは取引可能
翌営業日(2日以降)の東証での現物取引制限・停止の対象となる
制限の解除タイミング入金完了後、証券会社の処理次第
具体例:1日(月)の後場終了後に警告メールが届いた場合、1日の17:00〜23:59のナイトタイムセッションは通常通り取引できます。ただし2日(火)からの東証取引は制限されるため、入金が間に合わなければ翌日の立会時間中は売買できなくなります。保有株の売却のみ可能なケースが多いですが、証券会社によって扱いが異なるので、事前に確認しておくと安心です。

この仕組みを知っておくと、「今夜のうちに保有株を一部売却しておきたい」「夜間に追加の資金手当てをしながら翌日に備える」といった対応が取れます。もちろん、預り金不足の根本的な解決(入金)が最優先です。

7. 信用取引でのPTS利用

SBI証券・楽天証券・松井証券はいずれもPTS市場での信用取引に対応しています。ただし、信用取引での取引時間は現物取引と異なり、東証の立会時間(9:00〜11:30 / 12:30〜15:30)内に限定されています。

3社共通の信用PTS時間9:00〜11:30 / 12:30〜15:30(東証立会時間のみ)
夜間の信用取引現時点では不可(2026年4月時点)
信用PTS手数料(SBI・楽天)約定金額にかかわらず無料
「夜間にPTSで信用取引ができる」という噂が一部で出ていますが、現時点(2026年4月)では各社とも夜間の信用取引PTSは提供していません。PTSのサービスは随時拡充されているため、今後の変更は各社公式サイトでご確認ください。

8. まとめ:こんな人にPTSがおすすめ

向いている人

平日昼間に取引できない会社員。決算後すぐに対応したいアクティブ投資家。深夜でも取引したい人(松井証券なら翌2時まで)。

向いていない人

成行注文で素早く執行したい人。流動性を重視する大口投資家。権利取り目的で夜間に買い付けたい人(権利が取れないため)。

本記事について

本記事の情報収集にはAIによるウェブ調査の結果を活用しています。筆者はSBI証券の口座を保有しており、PTS取引の実体験に基づく記述はSBI証券の仕様を中心としています。楽天証券についてはまだ口座を保有していないため、各社の公式サイト・FAQおよびAIによる情報収集をもとに記載しています。内容の正確性には努めていますが、各社のサービス内容は変更される場合があります。最新情報は必ず各証券会社の公式サイトでご確認ください。

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