特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告した方が得になるケース
特定口座(源泉徴収あり)を持っていれば、原則として確定申告は不要です。しかし申告することで税負担が下がったり、控除枠が広がるケースが存在します。代表的な3つのポイントを解説します。
損益通算・繰越控除
複数の証券口座を持っていて、A口座では利益・B口座では損失が出ている場合、確定申告で合算(損益通算)することで、A口座で源泉徴収された税金の還付を受けられます。
年間トータルで損失が出た年に確定申告しておくと、翌年以降3年間にわたって損失分だけ譲渡益を非課税にできる「繰越控除」が使えます。特に大きく損が出た年は積極的に申告しておくと、翌年以降の節税効果が大きくなります。
配当控除(総合課税の活用)
配当金は「配当所得」として扱われ、申告方式を選択できます。現行制度での選択肢と特徴は以下の通りです。
| 申告方式 | 所得税 | 住民税 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 申告不要 特定口座源泉徴収 |
15.315% | 5% | 手続き不要。源泉徴収で完結。 |
| 申告分離課税 | 15.315% | 5% | 譲渡損との損益通算が可能。 |
| 総合課税 | 累進(5〜45%) | 10% | 配当控除が使える。所得が低いほど有利。 |
配当控除の仕組み
総合課税を選んだ場合、所得税から配当所得の10%(合計所得が1,000万円以下の場合)、住民税から2.8%が配当控除として差し引かれます。ただし住民税は申告不要の5%に対して総合課税の実質負担は7.2%(10% − 2.8%)となるため、住民税単体では申告不要の方が有利です。所得税で浮いた分が住民税の増加を上回れば、トータルで総合課税が得になります。
目安として、課税所得(給与+配当 − 各種控除)がおよそ695万円以下であれば総合課税が有利になるケースが多いです。ただし譲渡益などの他の所得との組み合わせや、控除額によって結果は変わります。
合計所得が1,000万円を超える場合は注意
給与・配当・譲渡益の合計所得が1,000万円を超えると、配当控除率が半減します(所得税5%・住民税1.4%)。譲渡益が大きい年は合計所得が想定外に膨らむことがあるため、申告前に確認が必要です。
自分の所得水準で総合課税と申告不要のどちらが有利かは、以下のシミュレーターで確認できます。
ふるさと納税の限度額向上
ふるさと納税の限度額は「ふるなび」などのポータルサイトのシミュレーターで確認している方も多いと思います。給与所得のみであればそれで十分ですが、譲渡所得・配当所得がある場合は単純ではありません。
限度額は「住民税特例控除の上限」で決まる
ふるさと納税は寄付金控除の一種であり、所得税の控除・住民税の基本控除・住民税の特例控除の3種類から構成されています。3種の上限をすべて満たしている間は(寄付金 − 2,000円)の全額が控除対象となりますが、住民税特例控除の上限が「住民税所得割の20%」と低いため、一般的にここが実質的な限度額になります。
※ 個人住民税所得割額 = 住民税における課税所得 × 10%
譲渡所得は申告分離課税で申告すると限度額が上がる
申告不要のままにしておくと譲渡所得が住民税所得割額に算入されないため、限度額が低くなります。申告分離課税で確定申告することで住民税所得割額が増え、式1の分母が変わらないまま分子(住民税所得割額)が増えるぶんだけ限度額が上がります。
譲渡益に対する所得税率は一律15%(×復興税1.021)のため、式1に代入すると増加分の係数は約26.78%となります。ただしこれはあくまで株式譲渡益のみが加算される場合の近似値であり、他の所得との組み合わせや控除の状況によって変わります。
配当所得は方式ごとに限度額と税額が両方変わる
配当所得については、住民税の申告方式(総合課税・申告分離課税・申告不要)によって限度額と税額の両方が変化するため、どの方式が有利かは総合的な判断が必要です。
→ ふるなび 本格シミュレーター
本記事について
本記事の情報収集にはAIによるウェブ調査の結果を活用しています。内容の正確性には努めていますが、税法は毎年改正される場合があります。最新情報は必ず国税庁・各証券会社の公式サイトでご確認ください。間違っていても保証はしませんのでご了承ください。

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