Claudeでの銘柄分析戦略①
AIを投資判断の「補助頭脳」にする【2026年版】
Claudeを銘柄分析に使い始めて約3週間。生活の合間に触っている程度でがっつり使い込めているわけではないが、可能性は感じている。EDINET DBとの連携やHYPER SBI2のCSVエクスポートという組み合わせに気づいたのも数日前のことだ。完成した手法の紹介ではなく、現時点での「ここまでわかったこと・まだ見えていないこと」の正直なレポートとして読んでほしい。
1. なぜ「AI×銘柄分析」を始めたか
キオクシアで往復ビンタを喰らった話
2026年3月、中東情勢が緊張し相場が暴落した局面で動揺してしまった結果、自分はキオクシア(285A)をろくに理解しないまま、主に「安くなったから」という理由で爆買いした。その後さらに暴落。耐えられずに損切り。反転したところで再び購入。また下げれば売って、上がれば買って——を繰り返した。最終的には「論外だった」と言うほかない判断の連続だった。
後から振り返ると、キオクシアはファンダメンタルズ的には十分買える銘柄だった。最初の爆買い後にそのまま持ち続けていれば、数千万円規模で利益が出ていた計算になる。
市場参加者のレベルが上がっている
最近、個人投資家全体のレベルが底上げされていると感じている。YouTubeでは本格的な銘柄分析が無料で共有され、投資本も急増している。PERやPBRはもちろん、ROICやDCFといった手法まで学びやすくなった。普通に勉強するだけでは差別化が難しい時代になってきた。
SNS誤情報の増加という問題
もう一つ気になっていることがある。SNSでの買い煽り・売り煽りが増えていることだ。数字の切り取り方や誇張表現による誤情報も散見される。情報の真偽をスクリーニングする手段としても、AIの活用は有効かもしれないと考えている。
2. なぜClaudeを選んだか
AIツールはChatGPTをはじめ複数あり、銘柄分析という用途においてどれが優れているかは一概には言えない。それでもClaudeを選んだ理由は一つある。
Claude Codeへの移行可能性だ。claude.aiで有用な分析フローが見つかった場合、同じAIエンジンを使うClaude Codeに処理を移すことで、自動化・定期実行へ発展させやすい。「まず手動で試して、使えると分かったら自動化する」という流れを一つのエコシステム内で完結できる。
3. データの揃え方①:EDINET DBをClaudeに連携する
財務データの取得に使っているのがEDINET DBだ。金融庁のEDINETに開示された有価証券報告書のデータを構造化したサービスで、日本の上場企業約3,800社の財務情報にアクセスできる。最大の特徴は、EDINETのサイトに自分でアクセスしなくても、ClaudeがMCPという仕組みを通じて直接データを引っ張ってきてくれる点だ。
設定手順(5ステップ)
詳細な設定手順は公式ガイドを参照:EDINET DB — Claude.aiで使う
EDINET DBで取得できる主なデータ
財務時系列
最大6年分の売上・利益・ROE等の推移を自動取得
財務健全性スコア
AI算出のスコア+業界ベンチマーク比較
決算短信データ
TDNet速報業績・前年比(EDINETより鮮度が高い)
有報全文テキスト
事業概況・リスク・MD&A等をそのまま参照可能
ランキング・スクリーニング
ROE・配当利回り等のランキングや複数条件での絞り込み
無料枠
100回/日まで無料。それ以上は有料プランへ
4. データの揃え方②:HYPER SBI2でCSVエクスポート
財務データだけでは「現在の株価水準が割安か割高か」の判断ができない。そこで株価の時系列データはSBI証券のHYPER SBI2からCSVエクスポートして補完する。過去10〜20年分の株価データを無料で取得できる。
操作手順
詳細手順は公式ガイドを参照:HYPER SBI2操作ガイド — 時系列データを確認/ダウンロードする
実際に霞が関キャピタル(3498)のCSVをClaudeに分析させた際、分割前後の株価が未調整のままClaudeがそのまま解釈し、誤った分析結果が出た。指摘すれば調整して再分析はできるが、最初から「株式分割が行われている可能性がある場合は指摘してください」と一言添えておくと無駄なやり取りが減る。
また、株価CSVだけでは分析として不十分な場合が多い。決算短信や決算説明資料も合わせて渡すことで、業績の背景や会社側の見通しを踏まえた分析が可能になる。
5. 実際の分析の流れとプロンプト例
パターン①:EDINET DBで財務分析(基本)
〇〇(銘柄名または証券コード)の直近3〜5期の売上・営業利益・ROEの推移を分析し、同業他社と比べて割安・割高の判断をしてください。
パターン②:SBI CSVを渡して株価分析
以下は〇〇(証券コード)の株価時系列CSVです。分析前に株式分割・併合の有無を確認し、必要であれば調整が必要な旨を指摘してから分析してください。
[CSVの内容をここに貼り付け]
パターン③:財務+株価の組み合わせ分析
EDINET DBで〇〇(証券コード)の財務データを取得してください。あわせて以下の直近株価CSVを参照し、ファンダメンタルズと現在の株価水準が乖離していないか評価してください。
[CSVの内容をここに貼り付け]
出力を見てから投げる追加指示の例
時事情報が考慮されていない
「中東情勢の緊張が続いている現状を踏まえて、この銘柄へのリスクを再評価してください」
分割調整が怪しい
「株式分割・併合の影響を考慮して再分析してください」
業界文脈が薄い
「半導体業界のサイクル(現在は〇〇フェーズ)を踏まえて評価してください」
定性情報が欲しい
「有報の事業リスクセクションも参照して、定性的なリスク要因を加えてください」
6. AIに任せてよいこと・人間がやること
使い始めてわかったのは、AIと人間の役割分担が明確にあるということだ。
AIが得意なこと
財務データの集計・比較/複数期の数値整理/業界平均との比較/有報テキストの要約/スクリーニング条件の実行
人間がやるべきこと
時事情報・マクロ環境の判断/出力の妥当性チェック/「何を聞くか」の設計/最終的な投資判断/ポジションサイズ・リスク管理
中東情勢のような時事情報は、現時点のAIにはリアルタイムで正確に取得・判断することが難しい。この部分は自分で情報を入力するか、出力を見て「この視点が欠けている」と気づいて追加指示する必要がある。
7. まとめ:AIは道具、判断は自分
現時点のAIはリアルタイム情報の取得や突発的な市場イベントへの対応など、不完全な部分が多い。「AIに分析を丸投げすれば儲かる」というものではない。
将来的にAIの精度がどこまで上がるかはわからない。ただ仮に精度が上がったとしても、最終的に資金を賭けるのは自分自身だ。だから判断は自分でやった方がいいし、その方が面白いとも思っている。
市場平均をアウトパフォームするために、そしてAIの可能性を確かめるために、Claudeを使い続けていく予定だ。
本記事について
本記事はClaude使用開始から約3週間時点での所感をまとめたものです。情報収集にはAIによるウェブ調査の結果を活用しています。筆者はSBI証券の口座を保有しており、HYPER SBI2に関する記述は実体験に基づいています。内容の正確性には努めていますが、各社のサービス内容は変更される場合があります。最新情報は必ず各証券会社・各サービスの公式サイトでご確認ください。

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